コロナ禍の現代、対面での取材活動も大幅に制限されることになった反面、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」などが一般に広がったことで、これまでとは違った取材方法が浸透しました。
これは「取材現場のイノベーション」といってもよいほどの出来事で、遠隔地にいる人とも画面上でつながることができ、移動を伴わずとも取材活動ができるようになったのです。
一方、取材後の原稿作成の流れは旧態依然としたままでした。
原稿作成の流れは人によって違いますが、概ね、取材をし、取材先の許可をもらって音声を録音し、取材が終われば音声を文字起こししてメモを作成、そのメモと取材時に書き取ったメモを見比べながら、原稿を作成するといった流れになります。
記事執筆作業の流れの中でも、文字起こしには相当な時間がかかります。精緻に文字を起こそうとすればなおさらです。例えば1時間の取材音源を精緻に文字起こしするとなれば、人にもよりますが、大事な箇所を巻き戻して聞いたりもするので、1時間以上かかるといったケースもあります。
その課題を解決してくれたのが「フルスタックカメラ」でした。
ズームで記録した取材動画をダウンロードし、フルスタックカメラにアップロードすれば、あとは自動でAI(人工知能)が「字幕」として文字起こしをしてくれます。
解析はクラウド上で行われるため、PCに負荷がかかることはありません。さらにPCでは他の作業もできるため、フルスタックカメラが文字起こしをしている間に別の取材をするといった使い方もできます。
文字起こしはテキストとしてダウンロードできるので、取材チームを組んでいる場合などは、チーム内で共有することが可能です。
文字起こしの制度は100%ではありませんが、従来の製品に比べれば十分に実用的なレベルですし、精緻な文字起こしをするのであれば再生スピードを上げた音源データを聞きながら修正すれば良いので作業効率は大幅に上がります。
また、動画と字幕が連動しているので、動画を確認しながら、オンラインで効率の良く字幕を編集すること可能です。
最近では、取材現場も人手不足にあえでいる声を聞きます。私はフルスタックカメラを活用することで、業務効率を大幅に改善することができました。
現場の負担を減らして、企画や構成、取材に時間を割くことができるようになれば、コンテンツの質を高めることにもつながります。ぜひ、現場の負担を減らすためにもフルスタックカメラを皆さんにも活用してもらえればと思います。